保険診療での患者負担の上限を定めた高額療養費制度は平成19年4月から、いったん病院の窓口で全額払った後に超過分が返還されるこれまでの方式に替わり、最初から限度額分だけの支払いで済ませることが出来ます。
70歳未満の方の健康保険での診療費の上限額は、収入によって3段階(表)に定められています。従来の「高額療養費制度」では、急な病気に加え急な出費、自己負担限度額を超えた分は返還されるとは言え、自動的に返還手続きが取られることなく、「患者側から問い合わせ(申請)しなければ返還がされない」「返還までの期間も数か月かかる」など患者側にとって金銭的に非常に負担となる制度でした。
70歳未満の方の高額療養費の上限額
区分 |
1か月の医療費負担上限額 |
上位所得者(月収53万円以上) |
15万円+(総医療費−50万円)×1% |
一 般 |
80,100円+(総医療費−267,000円)×1% |
低所得者(非課税世帯) |
35,400円 |
平成19年4月からの制度改正で、自己負担限度額分だけの支払いですむことが可能になりました。この適用を受けるには、医療保険(社会保険事務所や健康保険組合、国民健康保険なら市区町村役場等)で「限度額適用認定証」を発行してもらい、医療機関受診の際に、保険証と一緒に提出することが必要です。一度の入院治療で限度額を超える場合などが対象です。原則としては、入院等の前に提出することが必要ですが、医療機関によっては、「医療費請求時=医療費支払い時でも対応は可能」です。ただし、すでに支払った医療費については、さかのぼって適用を受けることはできません。
「限度額適用認定証」を発行してもらうには、「健康保険限度額認定申請書」を記入の上、健康保険証のコピーを添えて管轄の医療保険の保険証を発行してくれる窓口に提出することが必要です。社会保険事務所の場合、認定証は遅くても1週間程度、国民健康保険なら市区町村役場でその日のうちに発行されます。
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