2007年12月5日に労働契約法が公布されるまでは、出向についての法的な基準が存在しませんでした。そのため出向の判断は行政基準や判例に基づいて行われていましたが、本年3月1日からの同法の施行によって明解な判断ができるようになるでしょう。
それを親子関係に例えれば、自分の親(会社)が他の家(第三者)との間で、自分の子を他の家に預けて働かせることについての取り決め(出向契約)をし、子はその取り決めに従って他の家に預けられて働くことと言えます。ただし、子供を他家に預けたとしても親子関係(出向元との労働契約)が切れることはありませんが、子は他家の指示にしたがって働かなければならない(指揮命令権の移転)ことになります。
出向契約には次のような特徴があります。
1. |
出向者は、出向元の会社の労働者としての地位を保持したまま出向先の労働に従事する。 |
2. |
出向元の会社に復帰するのが原則。 |
3. |
出向の目的は営利ではなく「人事交流、技術の提携、業務の応援、人員の削減手段」等として行う。(事業としては行わない。) |
4. |
出向元と出向先の間に二重の労働契約が存在する。 |
5. |
労働者との間に個別同意または包括同意が必要。 |
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